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第8回

今回からはデザイン計画にあたるディテール(床・壁・天井・排水溝等)プランの部分について解説していく事とする。この部分の解説は各指定認定機関や食品事業関係団体で作成されたマニュアルやパンフレット等にも詳しく解説されているので熟知されている読者の方も多いのではないかと推察しますが、勿論これらディテール部の構造要件を満たすことが、すなわちHACCPシステムだという事では無いと言うことを再度確認しておきたい。
この講座は「HACCP基礎講座」と銘打って、食品製造施設のハード面からの衛生対応を解説している。しかしこのようにハード部分からなどと大仰に解説をすると、さもHACCPシステムとはハードとソフトという両輪で構成されているような錯覚を起こされると思うが、実際HACCPシステムとはソフトである。何を今更と思われるかもしれませんが、今回から解説していくディテールプランではこのような誤解、すなわち壁のRがとられている施設はHACCP対応などという誤解を見受けるケースが多いため前置きとしてもう少し述べてみると、HACCP対応の施設という言い回し自体にいささか無理がある。極端な言い方かもしれないがHACCPシステムを構築する目的のために施設を新築あるいは改築するという流れは逆である。本来の流れとしては、現在でも異物混入や菌の増殖が無いような施設環境で健康被害のない安全な食品を製造しているが、さらにその安全を確実なものとするためHACCPの手法を導入するというものである。

左はハードとソフトの関係を解説する際によく使われる図であるが、これはHACCPシステムというものはハードという衛生環境が整備されている事を前提として構築できるものであるという事を表しているものである。この図は一見するとハード+ソフト=HACCPシステムと錯覚する。
それに対して右の図はハード的な環境を整備しその環境で運営していくのもよし、あるいはその過程で更にハイレベルで管理していきたいというならシステムを導入するというものでありHACCPシステム自体もこのような時系列な流れのもとに成り立っている。私自身はHACCPシステムのソフトと施設環境であるハードの関係は右図として整理している。
例のごとく今回も前置きが長くなったが、R巾木がHACCPシステムである等という誤解が無いように願いたいし、この講座としてもR巾木を取り上げるがHACCPシステムを導入する以前に是非とも整えておくことが望まれる施設環境とはどのようなものかを解説しているとご理解頂きたい。

さて本題であるディテールプラン。今回は床の計画をする際に望まれる構造要件とそのポイントを解説する。床の構造要件としては次の事が望まれる。

・ 床面は耐水性かつ耐摩耗性で亀裂が生じにくく、更に滑りにくい材料を使用し、平滑で清掃が容易に行える構造であること。

まず床面には耐水性や摩耗性という機能を有し、作業者が滑ったり、凹凸にけつまずいて転倒しないようなものとするということである。
コンクリートという下地はおおむね共通した仕様となろうが、ドライあるいはウエットという作業環境によりその表面仕上げの方法は数々ある。特にドライ床の材質の選択肢は多い。ステンレスも使えれば長尺シートも可能であり勿論ウエット床で使われるケースが多い塗り床も選択肢となる。どれも清掃しやすく選択には頭を悩ますであろうが、自社の作業環境での耐久性やコストなどを鑑み選ばれれば良いと考える。
ウエットの床仕上げ材の選択ではノンスリップ的な材質を要求されるかもしれないが、表面処理によっては掃除しにくい場合があるので選択には注意が必要である。なるべく平滑な物を選択して頂きたいが、実際には水があるので滑って転倒してしまうという懸念があるというケースがある。一概には言えないが、この場合は次の構造要件でもふれるが床が水浸しの作業環境に問題があり、排水溝等での計画にて水浸しの環境を先行して解決する必要がある。

・ 水や湯を使用する部分にあっては、不浸透性・耐酸性・耐熱性の材料を使用し、適当な
床勾配 (1.5~2.0/100)を有するとともに、排水溝を設けて、排水が容易に行える構造
であること。

床には適切な勾配をもたせるということであるが、その必要性を考えてみる。排水溝を設けて排水を効果的に行える環境にするには、床に水溜まりの部分があっては意味をなしません。そのために十分な集水効果を得られるような床レベルの検討を行いましょうということである。また同時に集水部となる桝の設置計画も十分な検討が必要です。水を使う部分というと流し台付近にばかり目を奪われ、大量の水を使用する機械洗浄水の排水用升は個数を少なく見積もるケースが多く先ほどのいつも濡れている床の状況の引き金ともなります。水の供給場所を記した工場施設の図面も作成し落ちの無いような計画としましょう。

・床を排水溝代わりにしない。

この構造要件が最も大切ではないかと考えます。顕著に悪い状況は流しの排水パイプから水が床に垂れ流しにされているものです。流石に自社ではこのような事はしていないと申されるかもしれないし、ケース的にも少ないでしょうが、これは一例です。実際には同様の光景は意外と多く見られます。ニーダーや炊飯釜等をお使いの場合その熱湯を直接床に流されている所は少なくないはずです。床が水浸しになるとともに蒸気発生というダブルパンチで瞬時に室内環境は劣悪となってしまいます。まさしく床を排水代わりとして使用している代償と言えます。この後の排水プランにてアイデアをご紹介することとしますが、床を極力ドライな状況に保つためには、床に水が広がらないような工夫も合わせて実施していく事が必要です。

・床の隅及び床と壁が交わる隅は、5cm以上のアールをつけるなど清掃しやすい構造とす
る。

最もポピュラーなハード対策ですが、Rの取り方によっては却って埃が溜まっているという状況を見受けます。Rの取り方としては塗り床の下地材である樹脂にてR成型する方法や、ステンレスやアルミでR成型された物を壁に貼る方法などがあります。また長尺シートならばシート下に三角材などを挟み込みR形状に仕上げる方法があります。いずれの場合も接合部となる部分に埃などが入り込まないような隙間処理をしっかりと施す事が寛容です。しかもRはデザインでは無いので、Rを施すことによって清掃等がしやすくなっている事が肝心です。

今回は床の初期プランをする際のポイントについていくつかご紹介しました。万全の計画で実施したはずの床工事であったとしても、数年経つと設備の振動や地震の影響などにより表面にクラック(割れ目)がはいり、そこから傷み部分が拡大していき目も当てられない状況をだましだまし生産しているケースは数多く、メンテナンスを実施したくてもその時間がとれないのが食品製造施設の状況です。床という部位は一度施した工事の不具合を最も補修しにくい所となります。計画に当たっては補修という事も念頭におき適材を環境に合わせて選択することを心がけてください。
次回は壁の計画について解説することにします。


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弊社企画運営サイト「HACCP99.com」に掲載している「実践できるハードプラン」の内容をまとめたものです。
食品安全を考慮した工場改修や新設を計画する際に考えておきたい、ゾーニング(間仕切り)や動線、壁や床など各部の構造要件等について解説しています。
HACCP99のページより無料にてダウンロードしていただけます。※CDにてのご提供は現在行っておりません。




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