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第7回

今回はバリア施設の計画について少し踏み込んだ解説をしていくことにしよう。前回バリア施設は「進入に対しての受入」あるいは「侵入を阻止する」という役割に注目することによりスムーズに計画していくことができることをご紹介したが、施設計画の初段階から侵入口となる開口等は極力無くして建設するのが手っ取り早いのではという考え方もある。食品工場の計画において窓は虫の侵入口となり、窓枠は埃の堆積場所となり異物混入の原因となるばかりで、無い方が運営上有利であることは否定できない。私自身極力外部への開口部を減らすように心がけ設計している。しかしこの計画には少し難がある。それは建設にお金がかかるということである。勿論食品安全ためには投資の多少云々を言ってはいられないというご意見もあるが、やはりイニシャルコストは抑えたいという考えの方も少なくないはずである。ではなぜ窓が無いとお金がかかるのか。逆ではないのか、窓が少なければそれだけ減額になるはずだというのは誰しも思うことである。しかし工場という建物を計画するにあたっては、各種の法規制をクリアしていく必要がある。代表的なものが建築基準法(施行令)である。例えば建物から窓を無くしてしまうと、換気のために有効な部分の面積が、居室の床面積に対して、1/20なければ「換気上の無窓」となり換気設備を設置する義務が生じる。あるいは、外部に開放できる部分の面積の合計が、居室の床面積の1/50以上のものが無ければ「排煙上の無窓」となり排煙設備を設置する義務が生じる。窓とこれらの設備を金額的に天秤にかけるとはるかに後者の機械設備の方が高額になるというケースが多くなる。
少し余談となるが、建物を計画していく際もHACCPシステムと同様の危害分析を行うのである。建物が崩壊する原因としは、物理的・化学的・生物的な要因があります。構造的な強度不足による崩壊が物理的要因。火災により損焼し崩壊するのが化学的要因。この化学的なものには錆びるということも含まれます。そして木などが腐ることにより崩壊する生物的要因。これら三つの危害要因を分析し建物は設計されます。先ほどの窓は火災時における化学的危害をコントロールするため、予防・拡大・被害軽減という視点から必要不可欠なものとなります。そしてその設置が必要不可欠であるために、無理な場合には排気設備の設置という代替まで要求されているのです。
バリア施設を計画する際も開口が単に無ければ良いという考えではなく、コストや建物危害という視点で建物を見、必要な開口からいかに招かざる客を阻止するかという考えで取り組んでほしい。
さて今回の本題であるバリア施設の詳細な計画方法について解説していくことにする。その際もよりどころとするのは、コーデックス「食品衛生の一般的原則に関する規則」(抄)の4.2.2の内部構造及び造作の項となります。そして該当するのは、
◆ 窓は清掃が容易で、埃の堆積が最小限になるような構造であり、必要な箇所では
 取外しができ、そ族・昆虫を通さないものでなければならない。
というあたりではないでしょうか。ただ、これではあまりにも漠然としていています。しかし色々と食品工場の設計という機会を重ねていくと、妥当な表現だなという感があります。それは、やたらと「網目は何ミリ以下」等と数字を並べ立てた規則を作っても、結局全てを網羅することもできないであろうし、バックグランドが異なる全ての工場において正しい数字である訳でもないと考えられるからです。そのため、窓へのバリア機能の考え方の基本は、そ族・昆虫を通さない構造とするという事になるのでしょう。しかし現実に計画する者としてはもう少し具体的なよりどころが欲しいというが本音でしょうから、次に人と物についてのバリア施設計画の際のよりどころとしての構造要件を紹介しておきます。

■ 作業者
1・入り口と出口に扉が設置され、密閉できる構造であること。
→ 密閉できるとは、エアタイトという高気密のものではなく、扉と枠に隙間が無い構造ということです。ポイントとして扉と床との隙間対策です。一般に靴づりという物が下枠としてあるのですが、段差が生じるため、台車の出入りにはいささか使いづらい物となります。そのため取り付け無い場合も多いのですが、ゴムやブラシ等を扉の下に取り付け、空気圧の差にて補い虫の侵入を防ぐとよい。

2・必要に応じ、エアーシャワー、靴洗い設備等外部からの汚染を防止するための設備が設
けられていること。 
→ エアーシャワーは衣服に付着した埃を取るには効果が思ったより無いということは、
よく言われることですが、作業者の衛生意識の向上に寄与する効果を考えると無駄な
投資ではない。靴洗いは作業場がドライエリアとしてもジャブジャブと水洗いするも
のでなく靴底を清潔に保つ程度の洗浄施設はある方がベターと考える。毎日掃除している家庭内で履くスリッパの底でもやはり汚れる。


■ 原材料・製品搬
a・搬出入口は暗室化し、高速シャッター(防虫タイプ)にて二重ドアにすることが望ましい。
→ シートシャッターとスイングドアを比較すると、機能的にはどちらも手を使わずに台
車を押しながら通過できるゲートと考えられるが、密閉性から考えるとシートシャッ
ターの方が優位。清浄度が同じエリアのゲートにはスイングドア。清浄度が異なるエ
リアのゲートにはシートシャッターの選択が良い。

b・二重ドアはインターロックで開放状態にならないようにし、捕虫燈を設置して昆虫の侵入を防止する。
→ インターロックとは、二重ドアとなっている扉の片方が開いている状態では、もう一方が閉鎖している機能のこと。外部と面している扉として利用すると効果的である。ホテル等の玄関が扉を開け風除室を通りまた扉を開けるという構造になっているのは外気が室内に入る事を防ぎ温度管理等をしやすくするための工夫である。

c・製品の搬出口は品温上昇を防ぐために、ドックシェルターの設置が望ましい。
→ドックシェルターは品温上昇及び室内温度の上昇を防ぐために効果的な設備ではあるが、
 工場内の床をトラックの荷台高さまで嵩上げする必要があるため、建築のコストは上がる。出荷場だけでの床高の変更とするか、あるいは工場全体に床を高くした構造にするかは各工場の使い勝手とコストに委ねる。

少しコメントを交えて解説したが、勿論これがバリア施設計画の正解ですというものではありません。このような工夫をすることは防虫・防そに効果がありますという程度にとらえてください。
今回バリア施設を解説しましたが、多くの紙面を費やし解説しても決して全てを網羅することはできないでしょう。機会あるごとに解説していくこととしますが、バリア施設の計画の基本は、コーデックスの「食品衛生の一般的原則に関する規則」(抄)に示されているように、侵入者という、そ族・昆虫を通さないことであり、進入者に対しては、汚れを極力排除し清潔な状態で入室させることであると考えます。


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弊社企画運営サイト「HACCP99.com」に掲載している「実践できるハードプラン」の内容をまとめたものです。
食品安全を考慮した工場改修や新設を計画する際に考えておきたい、ゾーニング(間仕切り)や動線、壁や床など各部の構造要件等について解説しています。
HACCP99のページより無料にてダウンロードしていただけます。※CDにてのご提供は現在行っておりません。




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