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第6回

前回までは、動線・ゾーニングというトータル的な工場内の施設計画について述べてきたが、今回からは人の入退室・物の搬出入の出入口となる扉等の外部よりの出入り口を代表とするバリア施設についての計画法や、床・溝など5Sとも関係が深い施設内部の構造詳細の計画について述べていくこととする。ゾーニングや動線の計画をトータルプラン(総合計画)とすると今回からの部分はディテールプラン(詳細計画)となる。
さらに解説していくなかで、出入り口の計画などはバリア施設、床や溝の構造計画はデザインプランと称してご紹介していくこととする。
先ず今回はディテールプランのなかでバリア施設を取り上げ基本的な考え方や計画法について解説していくこととする。

ここでいうバリア施設として取り上げるものは、扉・シャッター・窓を代表とする建築的な開口部。排水口・換気口・配管貫通部といった設備開口。手洗いなどを行うサニタリー施設。などの外部よりの出入りが考えられる箇所の計画である。招かざる客から衛生的な施設環境を守るということからバリア(barrier : 障壁。防壁。)という言葉が使われている。

バリア施設を計画する際の基本は、交差汚染のない施設内ゾーニングや動線が整備されて衛生的となっている室内空間に対して外部からその環境を阻害・侵害すると考えられる虫や異物を代表とする外敵をいかにくい止めるかである。
同様に作業者に対してはいかに衛生的(異物や菌を持ち込まない)な状態で進入させるかということである。江戸時代のごとく許された者だけは通行させるという関所を製造施設の手前に設けることであり、外部の者に対しては鎖国的な対応をとることとなる。原材料や包装資材などは外国製品が九州の長崎出島にのみ持ち込みが許されたごとくである。

少し余談となるが、パソコンで「しんにゅう」という漢字変換をすると進入・侵入・浸入などが候補として出てくる。意味としては「進入」とは人や乗り物などがその場所へ進み入ること。「侵入」とは他の領分を侵して強引に入り込むこと。「浸入」とは水などが入り込むこととなっている。作業者が製造エリアに入ってくるのは進入であり、虫が製造エリアに入ってくるのは侵入である。進入は害ではなく受け入れても差し支えないものであるが、侵入は泥棒が家に押し入るかのごとく、決して入れてはならないものである。食品製造施設においても進入する者・物は入ってくる行為そのものを拒むのではなく一定の手続きを踏ませて入退場させる関所が必要であり、侵入する者・物に対しては決して入れることのないガードが要求される。今回解説するバリア施設の計画においても「しんにゅう」という行為に対して進入なのかそれとも侵入なのかという漢字の使い分けという視点から考察すると取り組みやすいかもしれない。

さて、トータルプランとしてのゾーニングや動線は衛生面からの計画を生産性とからめ、できるだけ衛生的であるべきではあるが、同時に生産的でありたいという企業の攻撃的な考え方も含んでいるのに対して、ディテールプランにおいては徹底した守りの考え方に徹することとなる。ただ5S実施における時間的効率向上には貢献するため積極的に実施するケースも十分考えられるが、先ずは野球で言うならば点数を入れるための攻撃側ではなく、点数をとられない守備固めを行うと考えてもらいたい。しかしバントに合わせたシフトが必要でもあり。ダブルプレーを取るような連携が必要ではある。

では具体的にバリア施設はどのように考えていくかフローを解説しよう。
まず外部から入ってくるモノ(人・物・虫など)とその場所を洗い出す。そしてその数や頻度・時間帯も同時に調べておく。ただし虫などは、正確な数や頻度は調査できないであろうから、新たに工場を建設する周辺の環境からその予測される種類や数、既存工場ならば今までに捕虫した種類や数などをおおまかに掴んでおくとよい。
次に洗い出された進入・侵入者に対してはどのような危害がもたらされるのかという危害分析と対策を考える。この危害分析は、実際にバリアとしてどの様な物、構造にするかという選択の場面で重要な決め手となる。もちろん物の選択ではなく、関所での手順を決める場合にも重要なキーとなる。
例えば窓などは解放した状態が虫の侵入口となるのでメッシュの網戸を設置し対策するとよいのであるが。窓そのものの存在を否定するべきでない、採光や換気上必要があり設置されているものである可能性は高い。また前述の進入者に対しては、いかなる機能を備えた関所を通らせるかを計画すると共にソフト的な対策も考慮したものにする必要はある。ハードだけでは決して衛生的な施設を構築することはできない。

さらに、これらの事前調査を踏まえ実際の扉あるいはシャッターなどを選択していくのであるが、その種類と組み合わせは衛生面のみならず、防犯・防火・耐久性なども考慮するとかなりの数となる。
例えば扉にしても、出入りが多い場所では向こうが見渡せる窓が安全上必要と考えられる、しかし窓を付けるなら結露対策でペアガラスとするのがよいのかという環境的・衛生的な考慮が必要となる。また防火上で網入りガラスである必要があるのか、安全・衛生上でガラスではなくポリカボネードのように割れにくい物にするのか等を考えると材質(アルミ製・スチール製・ステンレス製等)との組み合わせでその選択数は膨大となる。
使用状況からもその選択は数多く考えられる。トラックから原材料を受け取る倉庫の入り口をシャッターにするにしても、アルミ製の手動で開けられる軽量な物を取り付けようと考えても、防火上スチール製でなければならないケースもある。こうなれば電動の物となりその開閉にいささか時間を要するため、頻繁な出入りが予測される場合は、内部に高速シートシャッターを併用しなければこと足らない事にもなる。
またスイングドアは非常に使い勝手のよい建具である。台車を押して通行したい場合などはNo1候補といえる。しかし清浄度別にゾーニングされた施設内にて、同管理レベルのゾーニングの行き来には好都合でも、管理レベルの違うゾーンを行き来させるには、補足的な機能を付加しなければ動線計画との整合性が得られなくなり衛生面で落第となる。
事前に調査した侵入者から施設を守るために侵入口に単に扉やシャッターを付けるだけでは実際に効果的なバリア施設を計画できた事にはならない例である。
そこで次の段階では前述した防犯・防火・耐久や使い勝手などを含め場所毎で求められる要求事項を洗い出す。
この場面では、専門家を交えて検討するとスムーズに運ぶのであろうが、あくまでも計画中という方は、バリア施設としての衛生・機能性を考慮した新製品が次々と出ており、その効果は目を見張る物があるので、インターネットを使って調べたり、色々と資料を取り寄せてみたりすることは今後の柔軟な施設計画の一助となると考える。

今回はバリア施設の計画をいかに行うとよいかという基本フローを解説した。前述した野球の守備固めにおける連携プレーの重要性と同様に、バリア施設も様々な施設固有のバックグラウンドを考慮し計画していかなければならないものである。HACCP対応の施設計画というと衛生第一主義に取られがちであるが、決して衛生面だけでは施設は構築できないものである。たとえ構築しても使用していく過程で作業者同士の新たなる暗黙のルールが決められ数ヶ月経つと思わぬ不衛生な現場状況を目の当たりにすることになりかねない。バリア施設の計画に限らず、施設内に柔軟かつ厳格な衛生的ルールを構築させる施設を計画することが計画者・設計者にとって重要な役割である。

さて次回はバリア施設の計画について進入と侵入に分けさらに踏み込んだ解説を行い、実際の計画に生かせて頂ける内容のものにしていくこととする。


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弊社企画運営サイト「HACCP99.com」に掲載している「実践できるハードプラン」の内容をまとめたものです。
食品安全を考慮した工場改修や新設を計画する際に考えておきたい、ゾーニング(間仕切り)や動線、壁や床など各部の構造要件等について解説しています。
HACCP99のページより無料にてダウンロードしていただけます。※CDにてのご提供は現在行っておりません。




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