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第5回

今回は施設内の物と空気の動線を計画する際の手順やポイントについて述べていくこととします。

■ 物の動線ルール

物の動線を計画する際には次の事項が基本のルールとなります。

(①~⑤まで枠囲みして強調させて下さい)
①原材料、包材、廃棄物などの物の動線と、従業員の動線を分ける。
②物の動線は、工程の流れに応じて一方通行になるようにする。
③汚染物と非汚染物の動線は交差させない。
④清潔な物の動線に汚染作業をする人の動線が交わらないようにする。
⑤加熱品と未加熱品の物を交差させない。

物の流れとしては施設内部には外部より材料・調味料・包材等が運び込まれ、加工され製品となり外部へ搬出されるというのが一般的です。安全な製品を提供するサイドとしての衛生対策は一連の製造工程の中で如何に菌を残存・付着・増殖させずにあるいは異物を混入させずに出荷させるかがポイントとなります。

ルール①において物と従業員の動線は分けることとなっていますが、物と人の動線を施設内において完全分離することは機械化されたフルオートメーションの施設では可能かもしれませんが多くの施設では無理な事です。言わんとするのは、例えば廊下を利用した人の動線を計画した際に、同じ廊下を原材料や廃棄物の運搬経路としても利用するならば互いが汚染し合うことが無いようにしなければならないということです。運搬台車や従業員のサニタリー手順といったソフト面での対策において交差汚染のリスクを回避する手だてをこうじる事は可能ですが、動線を分けておくことが最も簡単にリスクを減らせる方法だと言うことです。ならば廊下を沢山設置し全てを分離すれば良いのだとひらめかれる方もおられるかもしれませんが、スペースやコストを考えるとナンセンスと言えます。ここのところが基本という所以です。
次の②ではよく言われる一方通行という動線の基本とされるルールですが、この考え方もあくまで基本です。製品同士が互いに汚染し合うことが無いような流れとして最もリスクが少ないモデルであることを理解しておくと計画にもバリエーションを持たせることが出来るのですが、たまたま(・・・・)といった偶然を期待したに過ぎない、対策不備をごまかす手前勝手な理屈での動線は避けなければならない。例えば交差汚染のリスクが起こらないようなハード的対策が施されているならば上下交差する搬送ラインでもOKだと考えます。但しこの様な計画の際も、停電での停止時、故障時、老朽化等により将来にわたり交差汚染のリスクが発生することが無いことが絶対的な条件です。
③の汚染物と非汚染物の動線は交差させない。というルールも他と関連するでしょうが、このルールとして押さえておきたいのは、入荷時の分離です。例えばゾーニング計画とも絡みますが、野菜と肉あるいは魚と段ボールといった互いが汚染されているかもしれない状態にて入荷されてきたもの同士を同じエリアに保管しさらに同様のルートで施設内を移動していく動線計画としたならば交差汚染のリスクを否定することは困難です。
しかし、この動線で計画されている施設は意外と多く見受けられます。後工程で熱処理が控えているからという安心感が有るのでしょうが油断大敵です。想定している熱処理温度では死滅させることが出来ない菌が付着する可能性があるためです。危害分析の際に取り上げなかった危害に対してはHACCPシステムもある意味無力となります。

④⑤のルールは分かり易いものです。しかし作業効率・スペースなどの現状から厳格に線引きしルールを守って現場運営をする事を考えるとコスト面からは頭が痛い動線になるのかもしれません。作業エリア内において手作業で加工が行われるケースにおいて動線を分離する事は無理ですが、物と作業者があるいは物と物が互いに汚染し合う事を避けるように流れを考える事が必要です。熱処理が施された製品に手洗い行為を実施していない作業者が直接手を触れる事が出来たり、熱処理後の製品が無造作に放置されているようなロケーションでは製品の安全は確保出来ていないとみなさなければならなくなります。もしスペース不足・人材不足などの資源不足で衛生面での改善を先送りしなければならない状況の施設があるならば、作業者の手洗いの徹底や前掛けや作業靴の取替え等を行い菌の付着が極力無いような工夫を実施することが必要です。


■ 物の動線計画の手順

物の動線の基本を踏まえて計画していく手順としては、図面をひろげてそこに物の流れを線引きし、その流れに交差汚染が生じないかをチェックすることとなりますが、もし図面に線が上手く引けただけでバンザイでは「絵に描いた餅」です。多くの食品製造施設では物の運搬に台車や番重が用いられています。製品の完成に向かっての流れの計画は比較的スムーズですが、そこに用済みの台車や番重はどうするのかという疑問を投げかけるともろくも崩れていく計画は少なくありません。私自身も施設内部の動線計画をする際に頭を悩ますのは用済みの番重を洗浄室へ送り、保管し再度作業エリアへ汚染されずに戻すルートの設定や、台車を準清潔区から清潔区へと持ち込まなければならないケースです。投資額にゆとりがあるならパスボックスやコンベアなどを用いることにより解決できるケースもありますが、取り扱う物によってはリフト搬入というケースも稀にあります。新工場あるいは全面的な規模でのリニューアルを計画する際は物をどのような手段で流していくかを考えること。これが動線をスムーズに計画するポイントとなりますので、作業効率も併せて生産管理者と設計者が共にベターな搬送計画を検討することが第一歩です。
また台車の動線を考えるとどうしても理にかなった計画とならないために床は全て汚染区と見なすという考え方もありますが、作業者の履物の管理についても例外的な扱いとなりかねず全てが自社の都合にあわせた施設となってしまう危険があります。基本は汚染させない工夫をすることです。台車の車輪洗浄や迂回ルートの検討を行うことが薦められます。

■ 空気の動線ルール

空気の動線を計画する際には次の事項が基本のルールとなります。

・ 空気の圧力は清潔区を高くし汚染区からの逆流を防ぐ。

この空気の流れの基本ルールはよく知られているところとなっています。しかし実際に機械換気を用いて清潔区を陽圧にしている施設は多くないのが現状でしょう。反面、準清潔区に大型の換気扇を設置し陰圧にしている施設を見かけることは少なくありません。空気の流れを清から汚への流れで整備するのは、交差汚染への対策の一つです。これは、出入り口の扉を開けた時、外部より埃や虫が侵入しにくくするための工夫であり、菌の増殖を防ぐ手だてではありません。室内の温度を15度程度に保つ必要があるケースでは返ってフレッシュな空気を大量に入れ込むため温度管理が困難になり大型の空調設備を設置しなければならなくなりイニシャルコストを引き上げる要因ともなります。ここはあくまでも基本のルールとして解釈し外部からの侵入に備えるための環境整備と考える方が計画し易いと考えます。

また空気の動線を考えると同時に室内の清浄度にも気を配る必要があります。作業区域ごとに落下細菌数の基準値を定め、基準値内の施設衛生管理が必要であると考えられます。
作業区内の細菌数の目安

・汚染作業区域: 落下細菌数100個以下
・準清潔作業区域:落下細菌数50個以下
・清潔作業区域: 落下細菌数30個以下で、真菌数が10個以下




クリーンルーム 粒径 累積粒子数 浮遊菌数 平均落下菌数
(クラス) (μm) (個/ft3) (個/ft3) (個/ft2・週)
100 ≧0.5 ≦100 ≦0.1 1,200
10,000 ≧0.5 ≦10000 ≦0.5 6,000
  ≧5 ≦65    
100,000 ≧0.5 ≦100000 ≦2.5 30,000
  ≧5 ≦700    
 
また粉物を扱う施設・蒸気が発生する施設などでは空気の流れを計画するのと同じく各部屋の換気システムを熟考する必要があります。粉物を扱う施設に対してかたくなに空気を清から汚へ流すならば施設全体が粉まみれになりますし、蒸気が発生する場所を局所排気してもその効果に影響が出るような空気の流れを計画したならば結露に悩まされる日々を送ることになりかねません。あくまで生産状況や取扱物に合わせた空調計画をたてることが第一であると考えられます。

今回は物と空気の動線計画についての考え方について述べました。次回からは工場内のデザイン計画について解説していきます。


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