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第4回

前回は食品工場の動線の基本的な考え方について解説したので今回は実際に施設内の人の動線を計画する際の手順やポイントについて述べていくこととします。
先ずは図1を見て下さい。
動線のルールでは、作業者は各作業区域に直接到達できるようにするとなっており、それからすると左図の動線は各衛生上の区分域へ直接到達できるので良好とされ右図の動線では汚染区域への入場者や物が清潔区を通過することとなるので不適切な動線となります。

 図1
 しかし清潔区を陽圧として空気の流れを清から汚へと流しているならば良好となります。同様に人も物も清から汚へのワンウェイとして図面に線を入れれば問題が無いように錯覚します。
人・物・空気の流れをワンウェイにするという手法を用いて計画する際に注意しなければならないのは、人や台車は行ったきりではないということです。必ず帰って来るのです。ですから人も台車も行きは清から汚への流れであり清潔区の作業者と同様の手続きを実施し入場するのであれば交差汚染が発生するとは言い切れないのですが、汚染区の人が再び清潔区を帰路として通過するのであれば汚染の可能性を否定することは難しくなります。

 図2

ですから図1において右図が不適切と考えられるのは、図2の左2つの動線の様に交差する部分が存在することとなるためです。新工場を計画する際などは、作業者を始業時に各作業区へワンウェイで誘導することは意外と簡単に計画できますが、作業後に交差無しに退室させることの難しいことが実感して頂けるでしょう。食品工場の動線を解説したレイアウト例が掲載された書物やHPを参照する際はこの交差をどのように回避しているかを日頃より注意深く観察するかがポイントです。

■ 動線計画の手順

さてここからは現状が前述の例のように交差する動線となっている施設はどの様に衛生改善を試みると良いかを考えてみましょう。
その前に、合理的な思考法とは何かを確認しておきましょう。どのような問題解決も,
「問題を明確化する」→「その原因を究明する」→「解決策を策定する」という3つのプロセスをたどります。平たく言えば「何が問題なのか」、「なぜ問題なのか」、「どうしたらよいのか」ということです。
そのプロセスは、
・衛生施設の不備となる現状の把握
・整理
・整備方針の決定
・優先順位を決定する
・工程作成後、工事を実施し設備を配置する
という流れとなります。ここでも平たく言えば、
「どこに問題があるのか現場をみる」
「なぜ問題なのかを整理して」
「解決するためには、どうするかを決めて」
「何から手を付けるか順番を決めて」
「工事にかかる」
ということです。   

ここでは作業者や物の帰路の動線に交差汚染の可能性が有ることが問題としています。
ではなぜ問題となるのかです。本当に交差汚染の危険性が存在するのでしょうか?
時間的にも短時間の通過であるし、部屋の片隅を通るだけだからそう目くじらをたてて神経質に考えなくても交差汚染の危険性なんて100%と無いとまでは言えないとしても案外低いのではという考えを持たれている方は少なからずおられることでしょう。
汚染区の作業者が清潔区で作業中の友人に今晩の食事の約束を取り付けに行ったりすることが決して無い様に決めたことを守るという従業員教育が万全かつ徹底されているならば、私自身もリスクは低いと考えます。しかし低いだけで汚染の可能性を否定することは到底できません。作業服や履物に付着した菌などにいつ汚染されるか分かりません。
すなわちこの動線の問題点は作業者が服や履物に付着した可能性のある菌などを清潔区に持ち込む可能性がある事です。ですから解決策として考えられるのは、汚染区の作業者は完全にシャットアウトするか、清潔区への入場前にはサニタリー施設を完備する。となります。
具体的には図3のように作業者を各作業区域に直接到達できるようにし、清潔区へは汚染区の作業者が物理的に侵入できない動線にするか、スペースがなければ図1の左図のように別途汚染区作業者専用の通路を設ける等が考えられます。この際は汚染区専用通路を隔壁で囲うことが困難であれば、汚染物が清潔区へ侵入しないような対策が施されていれば良いと考えられます。但し物理的に作業者が侵入しないような工夫が必要です。床の塗装の色分けだけでは不十分だと判定した方が良いでしょう。

 図3


ポピュラーなゾーニング・動線の計画例としてよく見かけるものに図4がある。帰路として廊下を利用するゾーニングと動線を用いて計画している例である。手洗い・靴洗いを行いエアシャワーを通過する手続きにより清潔区へ入室し、汚染区へは廊下を経由し入退場するという動線である。実際の施設としての要件は満たしていない例ではあるが、動線を計画する際に廊下を利用して作業者を誘導するという手法は参考になる。

図4




図5も前例と同様に廊下を利用したプランとなっている。清潔区への入場者に対してはサニタリーゾーンを通過させ、準清潔区へはサニタリーゾーンを通過後に入場し、退場時には廊下へ出て戻る。汚染区への入場者は直接廊下から入退場ができるようになっている。ただ準清潔区の作業者が直接廊下へ退場しても良いが、再度廊下から戻れないように扉に工夫をしておくことは必要である。


 図5

このゾーニングと動線の計画において注意しておかなければならないのは、作業者の履物の衛生管理である。清潔区・準清潔区・汚染区の3つのゾーンの作業者は共通の廊下を歩行している事になり、清潔区・準清潔区の作業者の履物は汚染されている危険性は存在する。施設のスペースからやむを得ずこの様な動線となる場合は、必ず履物の洗浄設備を設置するか、履き替え行うようなルールを定める必要がある。また準清潔区の作業者はできるなら廊下へ直接出すのではなく、一旦サニタリーエリアへ戻させたのち廊下を歩かせる動線が薦められる。但し清潔区を経由することなく直接サニタリーゾーンへ戻す必要がある。

では前述の例のように廊下等の利用がスペース的に無理な施設の場合はどのような改善を施すと良いか。それは汚染区の作業者が清潔区へ入場してもなんら汚染の心配が無いようにすれば解決する。服・履物を変え粘着ローラーで付着物を除去し、手洗いを済ませれば問題は無いと考えられる。極端な言い方をすればゾーンを変わる際にこの様な手続きを踏めば人の動線はワンウェイとなっていなくても良いし、交差していても差し支えが無い。高度なクリーン度が要求される部屋への入場の際はこの様な手続きが必要となるケースはあるが、それ以外の場合はナンセンスではある。しかし衛生環境の向上の為にも履物の変更と手洗い、付着物の除去作業が実施できるスペースは設置し汚染防止に努める必要はあると考えられる。
今回は人の動線について解説してみた。次回は物と空気の動線について手順やポイントについて述べていくこととします。


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弊社企画運営サイト「HACCP99.com」に掲載している「実践できるハードプラン」の内容をまとめたものです。
食品安全を考慮した工場改修や新設を計画する際に考えておきたい、ゾーニング(間仕切り)や動線、壁や床など各部の構造要件等について解説しています。
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