スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第1回

施設計画者の役割
工場というのは、その生産規模、生産品目、生産方式、生産手段や立地条件により千差万別であり、「かくあるべし」と規定することは暴挙となるでしょう、しかし「かくあってほしい」という願いを、工場計画に携わる者として演出していくという姿勢は大切にしたいものです。

では工場を演出するとはいかなるものでしょうか。演出といえば舞台や映画の1シーンにおいて役者の演技指導をしたり、撮影したフィルムを見直したりしている監督の姿を連想される方が多いのではないでしょうか、その通りで演出とは演劇・映画・テレビなどで、台本をもとに、演技・装置・照明・音響などの表現に調和と統一を与える作業となります。
ここで言う施設担当者にとっての演出も、計画書や図面をもとに生産・衛生・環境・コストなどを勘案し生産現場にハードとソフトに調和と統一性を与えていく役割を担うことと解釈して頂ければよいのではないでしょうか。

演出家にとって、調和と統一性を持たせていくことが最も重要かつ難しい役割となります。
先日痛ましい事故となったJR福知山線の脱線事故要因の1つとも言われている自動速度制御装置(ATS)の不備などは、段階的な設置過程であったとはいえ安全対策の最優先事項ではなかったゆえにその設置期間の先延ばしが、結果大惨事を招いたともいわれています。反面、今や多くの安全確認の手法として取り入れられている指差呼称などは現場で早くから徹底され多くの場面で事故を未然に防いできたことも事実です。
悲惨な事故例を取り上げましたが、ソフトとハードに調和と統一性を持たせることの必要性、重要性をご理解頂けるのではないでしょうか。

ではどのように調和をもたせるのか。
演出というのは、点数を用いて60点だから不合格 90点なら合格と優劣を下されるものではありません。先ほどの列車事故を考えてみても、日常ソフト面で90点以上でありながらハード面では0点であり、平均で45点なのでやはり不合格という安直なことでは済まされないことがお分かりになると思います。システムを構築し日々の教育を繰り替えしていたといえども、未然に防げたかもしれない設備の不備は重大な事故となり、逆に施設面でいささか不具合な箇所があったとしても作業者の日頃の意識や努力によりカバーできているケースも多くあるはずです。
これは照明・音響などの舞台が良くてもダイコン役者が演じれば台無しになり、逆に何の飾りもない舞台でも役者の演技力で感動をよぶこともできることと同じで、調和がとれた演出とは舞台を整え役者に最高の演技をしてもらうこととなるでしょう。

また演出に統一性を持たすにはどのようにすればよいのでしょうか。
それにはしっかりした台本が必要となります。舞台、役者そして良い台本の三つが優れていてこそ人の記憶にいつまでも残る名作は生みだされてきます。
次からは、その台本(計画書)づくりについて解説していくこととします。

HACCPシステムに準拠した施設計画
台本を書くにもその時代背景には考慮が必要です。
食品を製造する施設は近年変化を遂げています。食品の生産に適した環境とはいかなるものなのかというアウトラインが見えてきています。
例えば10年以上前に建設された工場では、製造施設部の配置を考慮せずに設計が行われているところが多かったのですが、現在では製造施設部の配置計画は重要なポイントとなっています。南面に生産施設を直面させると、室内の温度管理が季節により難しくなるため、南面には事務所棟や外部の見学者通路を設け、生産施設に直射日光の影響を受けなくする配置とすることがスタンダードとなっています。
また、扉の開放方向についても、避難方向あるいは歩行者との干渉がない方向への開放が基本とされていますが、食品製造施設では清潔な環境を保つために清から汚への開放が望まれています。このように基本的なプラン作りにおいて変遷してきています。

また、今までの施設造りは、採点表や○×式のチェックリストを用いた断片的な手法が多く用いられてきました。
「そ族昆虫の侵入を防止するための設備があるか」というチェックに対して、
「捕虫器が無い→×」

「外部入り口にスリットカーテンが吊るされている→○」

しかしこれでは名作といわれる台本を書くことはできません。この手法による計画づくりでは、整備不十分な施設に欠けている構造要件を洗い出し是正する手がかりを与えるためのものではないとともに、診断を行っても、現状の施設に欠けている致命的な不適合を見落してしまうからです。それは、物のあるなしの○×判定となってしまい、施設整備に不可欠なゾーニングや動線の統一性を見いだすまでには至らないからです。
必要なことは「この排水溝には勾配が1/100なので不適合」というような構造的不備だけをみて診断を下すのではなく、製品に危害を及ぼすと思われる要因を排除していくという視点で施設を見直す事です。勾配2/100以上が必要なのは、排水溝に流れ込んだ残痕が堆積腐敗に起因する菌の増殖を防ぐために適度な流れを確保するためであり、排水溝でも水しか流れない場合はたとえ1/100でも問題が発生しないかもしれませんし、残痕に重量があるなら勾配をきつくすると水だけが流れ、返って残痕堆積を招くことにもなりかねません。
現場の状況に応じたケースバイケースの施設を考えること、それこそが、しっかりしたい台本づくり(プランニング)となるのです。

プランニングも多くの方々には手本無しに作成することはなかなか難しい事です。そこでそのよりどころとしてご紹介するのが、コーデックス「食品衛生の一般的原則に関する規則」(抄)の施設の設計及び設備の項です。

一文をみてみると、食品製造施設の効果的な危害管理を実施できるためには、作業の性格や危険度(risks)に従って、次のことを保証できるように施設は配置され、設計され、建てられていなければならないという項が見られます。

食品衛生の一般的原則に関する規則
・汚染を最小限にすること
・適切な保守管理、洗浄、消毒ができ、空気汚染を最小限による設計
 及び配置であること
・食品と直接接触する機械器具の表面の材質は使用目的において毒性がなく、
 耐久性があり、保守点検及び洗浄が容易にできること
・温度、湿度及びその他コントロールを行うことができる適切な設備であること
・そ族昆虫の侵入及び住み着きに対し、効果的な防御措置が施されていること

ここには立地、施設内、装置、設備についても引続き述べられており、ガイドラインに沿って施設・設備の管理方法(改善)を決定することにより、統一性をもった台本ができあがることとなります。言い換えると食品衛生の管理手法として注目されているHACCPシステムに準拠した施設の構築につながることとなります。

食品製造施設にとってのしっかりした台本とは、衛生管理できる抜本的な機能の整備を検討し、その機能を十分果たし得る細部の検討へ移って行くというプロセスを作成することにより、製造施設としてHACCPシステムの運営を磐石にしていく役割を果たすことです。


次回よりは、食品製造施設の整備計画を トータルプラン(Total Plan)とディテールプラン(Detail Plan)の2つに分け、HACCP対応の施設整備に必要な構造要件と、実践ポイントを4つのステップに沿ってご紹介していきます。

トータルプランでは、先ずゾーニング計画と動線計画の仕方を確認した後、部屋ごとに求められる構造要件をご紹介します。

ディテールプランでは、バリア計画とサニタリーデザイン計画における構造要件をご紹介します。

冒頭にもあるように、食品工場の施設整備もバックグランドにある生産規模、生産品目、生産方式、生産手段や立地条件により千差万別であるがゆえに、「HACCP対応とは、かくあるべし」と規定することは暴挙となります。ゆえに断定的に改善法を述べることはできませんが、正しく施設の要件を解釈し実施していくことは施設整備を通して必要と考えます。


hp_book (1)

弊社企画運営サイト「HACCP99.com」に掲載している「実践できるハードプラン」の内容をまとめたものです。
食品安全を考慮した工場改修や新設を計画する際に考えておきたい、ゾーニング(間仕切り)や動線、壁や床など各部の構造要件等について解説しています。
HACCP99のページより無料にてダウンロードしていただけます。※CDにてのご提供は現在行っておりません。



【Recommendation site】

★認証実績多数のコンサルタントがサポート -http://www.e-ashida.jp
10ヶ月でISO22000を構築 短期・廉価での構築をお考えならお問い合わせ下さい。 クリック

★食品工場の改修・新築のご計画をサポート -http://www.e-ashida.jp
プランづくり・基本設計・設計監をサポートします。 クリック

このブログは、HACCP99サイトの情報発信ツールとして(株)芦田工務店が運営しております www.e-ashida.jp
logo_head.gif

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

                            
フィリピン留学
スポンサーサイト

 | HOME |  »

プロフィール


最新記事


HACCP道場 CD販売中

HACCP道場CD版 好評発売中

RSSリンクの表示

kojochologonew.jpg
Powered by RSSリスティング
head-p.gif
Powered by RSSリスティング
Powered by RSSリスティング

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。